注意欠陥・多動性障害とは、注意力散漫、感情をコントロールしづらく癇癪を起こす、多動性が強いなど症状があり、アスペルガー症候群や自閉症、ひきこもりなどとともに近年爆発的な増加傾向にあります。しかし、これらは病気ではなく、症状であり改善できる可能性があります。

多動症などの精神的症状は、先天的であるという見解や精神的な障害であるという診断からご本人、ご家族ともに大変な精神的ストレスを抱えていらっしゃることが多いです。また、幼児のうちから安易に向精神薬や睡眠薬などを服用させることは極力避けなければなりません。なぜなら、栄養の偏りからきている栄養不足などでもこれらの症状は起こりうるからです。

近年、精神疾患が増えている背景のひとつに、食事の偏りなどからくるビタミン・ミネラル不足や有害金属(水銀・鉛・ヒ素・アルミニウムなど)が体内に蓄積していることが原因となっているのではないかと考えられ始めています。

栄養療法の良いところは、先天的な障害であれ、栄養の偏りからくる症状であれ、お薬を服用している場合であれ、有効であるということです。精神的な疾患は特に、食事の影響が大きいことを広く知っていただきたいと思います。

症状

5歳 男児

病院で診断されたわけではないが、子どもの多動性、かんしゃく、パニックを起こすことが多く心配。お菓子、ジュース、ジャンクフード、パン、などが好き。野菜が嫌い。

カウンセリング概要

食生活、生活習慣の聞き取り、毛髪ミネラル検査。
低血糖症の疑い、栄養失調、水銀、鉛の蓄積、亜鉛不足 

※病気の診断はいたしません。どんな栄養素が不足・過剰となっているかを判断します。

お薬卒業プログラム(概要)

多動症(注意欠陥・多動性障害)、アスペルガー症候群、うつ、攻撃性などの精神症状や精神疾患と類似した症状を起こす方の特徴的な生活習慣に、偏食があげられます。

このお子さまも典型的な偏食です。お菓子やジュース、アイスクリーム、チョコレートなどを毎日食べたがります。冷蔵庫からお菓子を自分で出して食べていることもあります。おやつをたくさん食べているので、お腹がすいておらずご飯が食べられないこともしばしば。ご飯もファーストフードやフライドチキン、ウインナー、ポテトなどしか食べず、野菜は嫌いでほとんど食べません。

また、加工食品ばかり食べているので、ただでさえ足りていないビタミンやミネラルが添加物とともにますます排出されていきます。これによる「新型栄養失調」「低血糖症」の可能性を改善します。

まず食事を変えることが非常に大切になってきますが、こだわりが強く、食べたいものが食べられずにかんしゃくを起こしたり、攻撃的になったりすることもありますから、少しずつあきらめずに進めていきましょう。おやつはお菓子ではなく、おにぎりや野菜たっぷりお好み焼きにのりやちりめんじゃこなどを入れ、ミネラルをプラスしてあげます。偏食のため全体的な栄養不足になっていることが多いですので、マルチビタミン&ミネラルなどで栄養素を補ってあげましょう。サプリメントを選ぶときには、添加物に糖分などを入れていない会社のものを使いましょう。

また、毛髪検査をすると有害金属が蓄積して悪さをしてしまっていることがあります。これらをキレート剤などを使って排出していくことも大切になってきます。

1.食事の改善

  • お菓子、ジュース、ファーストフード、加工食品をとらないようにしましょう。砂糖などの精製炭水化物はとらないようにします。
  • 少ない量の食事を回数多くとりましょう。
  • 冷蔵庫から勝手におやつを出して食べることなどのないようにしましょう。
  • ま・ご・わ・や・さ・し・い 和食メニューにしましょう。
  • 化学調味料ではないおだしを使いましょう。
  • 食べられるものから少しずつ、野菜を食べられるようにしていきましょう。
  • 孤食を避け、大皿料理も避けましょう。一人分をきちんととりわけ、好きなものだけを食べるということを防ぎましょう。
  • 最後まで座って食べることなどを目標にしましょう。

2.サプリメント

  • マルチビタミン&ミネラル
  • デトックス、キレートサプリメント
  • プロテイン
  • ビタミンB群 等から選択します

3.生活習慣

  • できなかったことを責めず、できたことをほめてあげましょう。
  • 運動をして、エネルギーを発散させてあげましょう。
  • テレビ育児をやめましょう。テレビを見るときは、時間を決め、一緒に見るなどの工夫をしましょう。
  • 何か得意なことがあれば、とことん伸ばしてあげましょう。
  • 他の子と比べないようにしましょう。
  • 専門家の意見を聞くことも大切ですが、偏った意見ではなく、いろいろな考え方から、自分や家族が納得できる治療法を選びましょう。ご家族の方が良く分かっていらっしゃることもたくさんあるものです。
  • 本音を相談できる友人、家族、先生などを探しましょう。
  • 愛情を言葉や抱きしめるなどの行動で分かりやすく示してあげましょう。

実は、ここにあげたことは、注意欠陥・多動性障害やアスペルガー症候群のお子さまに限らず、全ての方の子育てに共通する事柄です。子育てをしていく上で、私達ママが忘れてはならないことばかりです。家庭は、子どもの絶対的安全基地であり、安らげる場所でなければならないのです。ですから、時にはだらだらすることも大切。がんばりすぎないことが、継続していく秘訣ですね。

そして、いつもお子さんによりそってがんばっていらっしゃるママも、息抜きする時間を持ちましょう。人は、自分が幸せでないと人を幸せにしてあげることはできません。